
奈良県立医科大学で医学部新1年生を対象に高橋教授が医学医療学入門の講義を行いました。
この授業は、各領域の専門家によるオムニバス形式の講義を受講することにより、医 療に関係する幅広い領域を理解することを目標としています。
講義のタイトルは「楽しく学べる内分泌代謝学―ホルモンのことを知って幸せになろう、そして医学を切り拓いてみたいあなたへ」で、前半はホルモンが体だけではなく心も調節しており、コルチゾールやアドレナリンはできるだけ出さずにオキシトシンやセロトニンを出すことによって幸せになるというお話(これは市民公開講座でもかなり好評です)、後半は高橋教授のグループが見出した新しい疾患概念のお話で挑戦の大切さについてお話しました。
それまでの講義は医学以外のお話が多く、臨床のお話は初めてだったのでかなり新鮮だったこともあり学生さんは熱心に聴講していただきました。そして、結構心に刺さったようで下記のような感想をいただきました。その後当科の研究に興味を持って数人の学生さんが見学に来てくれました。1年生の時のこのような初々しいそして熱い気持ちをぜひ忘れずに楽しい学生生活を送って成長してほしいと思います。
「高橋先生の話で一番心に残ったことはやはり後半の、「教科書を書き換えるような仕事を目指そう」の部分です。人体にはまだまだ未解明な所が多く、例外もたくさんあります。例外が医療を大きく進歩させる可能性があること、なぜを問い続けて医療の発展に寄与することの重要さを学びました。まず「医学を切り拓くのはあなたである」、本質的な問題を解決して多くの患者さんを救えることになる、次に「自分が本当に好きなもの、大切なものを見つける」、興味を持ったものにまず挑戦する、「内分泌代謝学含む学問はやればやるほど奥が深い」、世界のトップを目指し、専門外のことも積極的に学び続けることを教えてくださいました。この3つの教訓を胸にこれからも学んで行こうと思います。」
「「臨床現場では常に限界との戦いだが、その限界を越える方法として研究がある。」というお言葉には深く感銘を受け、Physician Scientist という進路があることも知れて、研究医の道に進むか臨床医の道に進むか悩んでいる自分にとって目が光るような時間でした。」