岡田定規先生の論文がSci Repに出版されました

当科(卒後臨床研究センター兼任)の岡田定規先生の論文”Annual variation of estimated glomerular filtration rate in health check-ups associated with end-stage kidney disease”がSci Repに出版されました。

CKDにおける血液透析リスクの予想と進展防止は非常に重要な課題です。eGFRの低下速度を表すeGFR slopeは分かりやすく一般的に用いられています。今回岡田先生は、11万5000人のビッグデータを用いて、特定健診におけるeGFRの3回の測定から算出できるeGFRの変動を表すパラメーターであるCVeGFRが、eGFR slopeと独立して血液透析進展リスクを予測できることを明らかにしました。

外来でeGFRはそれほど悪くないのに、例えば夏の暑い時期に少し低下したり、時々変動する患者さんがおられると思います。これまでそのような変化の意味合いは不明でしたが、今回の研究から特にeGFR<60の患者さんではこのCVeGFRが非常に重要な意味合いをもつことも明らかになり、このeGFR変動を示すCVeGFRは、eGFRの絶対値だけでは表現できない脱水や薬剤などに対する腎予備能を反映していると考えられ、今後臨床的にも重要な指標の一つになると考えられます。

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