糖尿病、内分泌疾患診療のエキスパートを目指そう(2)

昨年、内分泌代謝糖尿病内科領域専門医ガイドブックを無事出版できて、お陰様で多くの若い先生方にご活用頂いています。

 そして現在は糖尿病、内分泌疾患診療のエキスパートを目指すための外来診療のガイドブック作成に取り掛かっています。高橋教授が編集長となり、編者には糖尿病をはじめまさに各領域の診療のエキスパートの先生方にお願いしています。これまでガイドブックはたくさんありますが、外来診療に特化したものはほとんどありません。また私もそうでしたが外来の心構えなどをきちんと指導されたことがない先生がほとんどだと思います。

今回のガイドブックは私を含むエキスパートの先生方に外来の心構えについても熱く語ってもらっています。ガイドブックは今秋出版予定ですが、その中のエッセンスをご紹介していきます。ご参考になりましたら幸いです。 

外来の心構え:これから外来を始めようという若い先生のためへのアドバイス

糖尿病内分泌内科は外来診療が中心ですので、外来診療のエキスパートなれるかどうかが大切です。そしてそのやり方によってどのくらい成長できるかどうかが決まります。これから外来を始めようという若い先生のためへのアドバイスを述べます。

  • こちらから挨拶をしよう
    患者さん、コメディカルの方たちにはこちらから明るく挨拶をしましょう。笑顔で挨拶するだけで仕事のしやすさや人間関係は変わります。また患者さんが先生の顔を見ると元気になると言ってくれます。
  • 予習をしよう
    多くの経験を踏まえたベテランなら不要かもしれませんが、外来前には患者さんの予約リスト、事前検査結果の内容を確認して予習をしましょう。外来初心者の段階で検査結果の評価などを瞬時に行うことは難しいことは多いですし、見落としも生じます。また患者さんの前ではいろいろと調べにくいですし、予習の段階であればゆっくりと調べたり周りの先生に聞くことができます。このようにきちんと調べて対応する習慣の積み重ねが実力の向上につながります。
  • 復習をしよう
    外来中にどうしても方針が立てられなかったり、判断ができないことがあります。そのような場合には検査を出して次回来てもらうことが多いと思いますが、疾患名や問題点をメモしておいてその日のうちに復習しましょう。外来が終わると疲れて余裕がないかもしれませんが、ガイドラインだけでも確認するなど復習の習慣を身につけて、記憶が新鮮なうちに確認することで、患者さんの問題解決に結びつくだけではなく、あなたの生きた知識として蓄積していきます。
  • 経過をフォローしよう
    どうしても解決が難しい時、自信がない時には、コンサルトなどをうまく活用しながらフォローしましょう。臨床では丁寧にフォローしているうちに正解が現れてくることがあります。これらの経験と自らへのフィードバックがあなたの感覚や勘を磨いていきます。
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