高橋教授の英文総説 “Paraneoplastic autoimmune hypophysitis: a novel form of paraneoplastic endocrine syndrome”がEndocrine JournalのFeatured article に選ばれ、表紙を飾っています。
高橋教授の英文総説 “Paraneoplastic autoimmune hypophysitis: a novel form of paraneoplastic endocrine syndrome”がEndocrine JournalのFeatured article に選ばれ、表紙を飾っています。
このParaneoplastic autoimmune hypophysitis、傍腫瘍自己免疫性下垂体炎は高橋教授のグループが多くの仲間と共に長年携わってきたCase-oriented research, Disease-oriented researchの成果で、20年以上前に見出し新たな疾患概念として提唱した抗PIT-1下垂体炎の原因を解析するうちに傍腫瘍症候群として起こることが明らかになり、その後ACTH単独欠損症、免疫チェックポイント阻害薬関連下垂体炎の一部も同様の機序であることを見出して、傍腫瘍自己免疫性下垂体炎として報告したものです。
表紙のイラストにわかりやすくシェーマにしたのですが、いずれも随伴する腫瘍において、異所性に下垂体抗原が発現し、免疫寛容破綻が生じることによって、特異的な下垂体ホルモン欠損が引き起こされるという新たな機序です。
これらの成果は、国際内分泌学会、欧州内分泌学会に招かれて特別講演を行い大きな注目を頂きました。また今回のEJだけではなくEndocrine Review, EJE, Best Prac Res Clin Endocrinol Metabにおける総説の機会、現在改訂中のWilliams textbook of Endocrinologyの執筆の機会も頂きました。また新たな切り口を加えて現在Nature Reviews in Endocrinologyに執筆中です。
日本発の疾患概念としては、古くは橋本病やIgG4関連疾患などもありますが、その一つとして貢献できたことは非常に幸運かつ光栄なことです。改めて一緒に困難を乗り越えてきた若い先生、仲間たちに心から感謝いたします。そして奈良医大でも新たな挑戦を続けたいと思います。