2022年7月25日(月)18:30よりハイブリッドで医局説明会を行います。
奈良県立医科大学 糖尿病内分泌内科学講座のホームページにようこそ。
2022年7月25日(月)18:30よりハイブリッドで医局説明会を行います。奈良県立医科大学臨床研修センター図書室で行いますので、近い方は是非対面で、遠方の方はWebでお気軽にご参加ください。
当科の紹介を兼ねて、現在更新中ホームページのご挨拶を下記に記載させて頂きます。
早いもので私が教授を拝命して2年間が過ぎました。この2年間で心がけてきたことがあります。それはアフリカのことわざですが「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め。」ということです。以前はともすれば一人で早く行こうとしがちだったのですが、こちらにきてみんなでより遠くへ新たな地平を目指して誰も見たことのない景色を一緒に見に行くことに決めました。そして怒涛のような2年間でしたが、私たちは全員一丸となって挑戦と進化を続けてきました。その結果、みんなで随分遠くに来たのではないかと思います。
まず講座の仲間が増えました。特に専攻医はフレッシュな3名が新たに参加して頂き、彼らのやる気に私自身も多くの刺激を受けています。さらにベテランの先生も加わり大変層が厚くなりました。
そして元々糖尿病については経験豊富な先生が多かったのですが、内分泌疾患の紹介患者数もうなぎ上りになり、講座の全員が内分泌疾患について多くの経験を積んで随分たくましくなりました。
当科の指導は非常に手厚くなっています。日本の大学病院では唯一だと思いますが、毎朝8:30から外来新患カンファレンスを私自身も参加して全員で行なっています。そこでは外来、入院のすべての新患患者をディスカッションし、必要な検査、診断のヒント、紹介状の行間から何を読み取るのかを全員で勉強しています。そのことによって、特にまだ外来経験がないあるいは浅い若い先生にとってはベテランの外来の疑似体験ができるとともに、1年で膨大な症例の経験に結びつけることができます。また経験のある先生も一人では判断が難しいケースでも安心して診療ができます。実際、若い先生たちは予習しておいて自分で考えフィードバックを受けることで、月ごとに成長していることがわかります。このカンファレンスは大変ですが、若い先生が成長するためには素晴らしいシステムであることを実感しており私自身は今後も続けていきたいと思っています。
また月曜日における症例カンファレンス、水曜の症例レビューではそれぞれ病態についての深い洞察に基づいたディスカッションを行うとともに、内容だけではなくプレゼンや質疑も磨くことができます。皆さん2年前と比較して見違えるようなプレゼンになってきました。そこではポリクリの学生さんもチャレンジして頂いており見事なプレゼンをされる方も多いです。
もう一つの特徴は月曜日夜のWeb勉強会です。もともとは女性医師の多い当科では産休、育休中でも学びを続けることができるように、また家庭があって早く帰らなければいけない医師も自宅から参加できるよう20:00-21:00でWebで行なっています。それぞれ症例検討や文献紹介を行い、白熱したディスカッションが行われます。講義を聞いて内分泌代謝学に興味を持った学生さんもたくさん参加して鋭い質問をしてくれています。Webの良い点は距離は関係ないので、時には一流の外部講師をお招きしてレクチャーをお願いしています。いずれは海外の講師もお呼びできたらと思います。
火曜、金曜夕方には研究カンファレンスを行なっています。研究に従事していない先生、学生も自由に参加できます。私たちの現在のプロジェクトとして公衆衛生学との共同で内分泌代謝疾患を対象にしたレセプトビッグデータ研究を中心に、症例を深く掘げ病態を解明するための臨床、基礎研究など様々なスタイルの研究を行なっています。レセプトビッグデータの臨床研究だけではなく、先端巨大症の病因・病態解明や疾患iPS細胞を用いた病態解析などの世界最先端の基礎研究を希望される方も対応可能です。研究の指導方針として、診療における本人の素朴なクリニカルクエスチョンと興味を大切にしています。研究は順調に進めば知的刺激を受けるこれほど楽しい作業はありませんが、うまくいかないことも多いです。そのような時に自らが解決したいクリニカルクエスチョンに取り組んでいることは、前向きに継続できるエネルギーを与えてくれます。
また、大学病院なので診断・治療に難渋する症例によく遭遇しますが、まず世界のアップデートを十分勉強し、さらに重要なクリニカルクエスチョンを立案し問題を解決するために研究に取り組みます。目の前に実際患者さんがおられて、その問題を解決するための研究なので、皆非常にやりがいを感じながら、大学院生だけではなく、スタッフ、医員、そして学生さんも非常にホットかつ面白い教科書やガイドラインを書き換えるような研究テーマに取り組んでいます。具体的なテーマ等は研究のところをご覧下さい。
そして日本糖尿病学会、日本内分泌学会等、関連学会には皆積極的に発表しています。学会発表は本番だけではなく、その準備のプロセスでの勉強が最も大切です。発表内容に加えてプレゼンの仕方を含めて懇切丁寧に指導し何度も予演会を繰り返しながら、メンバーが発表のたびに成長しているのを実感しています。そして発表後は必ず論文化を目指します。また学生さんも希望すれば学会発表を指導しています。昨年は4年生の学生さんが賞を獲得しました。今後は広い視野を持つためにも海外の学会にも積極的に発表を目指します。
当科ではまず内科医として一人前になって総合内科専門医を取得して頂くための研修カリキュラムを用意しています。そして今年から内分泌代謝・糖尿病内科(領域)専門医が発足しました。私たちの分野では糖尿病だけではなく多くの内分泌代謝疾患もプロフェッショナルに診療できることが必須になります。当科では上記のように糖尿病だけではなく内分泌代謝疾患のエキスパートになるための全国でも有数の手厚い指導体制を構築しています。さらに色々なキャリアパスを目指す学生・先生方のお手本になるメンター、ロールモデルが存在します。そして関連病院の人事等もできるだけ本人の希望や家庭の事情を聞くようにしています。1-2年の短期間の研修も歓迎します。
当科の医局はアットホームな雰囲気で、子育て中の女性医師も多く活躍しており、何よりも楽しく学ぶことをモットーにしております。せっかく仕事をするのであれば、楽しくやりがいを持って取り組みませんか?糖尿病、内分泌代謝学に志を持った若い先生方を心から歓迎いたしますので、どうぞお気軽にご連絡ください(dm840 〈at〉 naramed-u.ac.jp)。
奈良県立医科大学 糖尿病内分泌内科学 教授 高橋 裕