紙谷先生、西岡先生の論文”Antithyroid Drug-induced Leukopenia and G-CSF Administration: A Long-term Cohort Study”がScientific Reports誌にアクセプトになりました。

紙谷先生、西岡先生の論文”Antithyroid Drug-induced Leukopenia and G-CSF Administration: A Long-term Cohort Study”がScientific Reports誌にアクセプトになりました。

バセドウ病の多くは抗甲状腺薬で治療しますが、稀であるが深刻な副作用である無顆粒球症についての特に長期的なエビデンスは十分ではありません。本論文は、レセプトビッグデータを用いて抗甲状腺薬による無顆粒球症の発症頻度の長期リスクについて検討したものです。これまでの多くのデータは単施設の専門病院からの報告がほとんどであり観察期間も限られていたのですが、今回14751名の抗甲状腺薬を投与されたバセドウ病患者を平均観察期間757日間フォローしたという大規模かつバイアスの少ないコホート研究により、リアルワールドにおける無顆粒球症、G-CSF投与の長期的リスクを明らかにしました。

また出版されたら詳細をお知らせしますが、MMI, PTUいずれも短期的リスクと長期的リスクが異なることを今回初めて明確にしました。4名のレフリーとのやりとりもありかなり時間がかかり苦労しましたが、今後ガイドライン等にも影響しうる論文になると自負しています。紙谷先生、西岡先生おめでとうございます。

今後もビッグデータ解析に基づく内分泌疾患、糖尿病についての面白い論文が続きます。他のプロジェクトも頑張って行きましょう。

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