高橋教授の総説「Nonalcoholic fatty liver disease and adult growth hormone deficiency: An under-recognized association?」がBest Practice & Research Clinical Endocrinology & Metabolismに出版されました。

高橋教授の総説「Nonalcoholic fatty liver disease and adult growth hormone deficiency: An under-recognized association?」がBest Practice & Research Clinical Endocrinology & Metabolismに出版されました。

高橋教授が2006年にGastroenterologyに成人GH分泌不全症にNASHを合併した1例においてGH補充療法が劇的な効果を示した症例報告は成人GH分泌不全症とNAFLD/NASHの関連を初めて明確に示した報告として注目されています。その後高橋教授のグループは、成人GH分泌不全症77例と年齢、性別、BMIをマッチさせたコントロールと比較して、明らかにNAFLD/NASHのリスクが高いこと、症例によっては肝硬変まで進展しうることを示して来ました。そして動物実験等でGH/IGF-Iが肝臓における脂肪沈着だけではなく、炎症、線維化を制御していることを見出しました。特にIGF-Iが肝星細胞機能の細胞老化を介して線維化を抑制するという新たな機序についても報告しました。その流れに沿って成人GH分泌不全症とNAFLD/NASHの関連については、世界中特にアジアからたくさんの論文が報告され、小児でも肝硬変、肝不全に進展する例などがあることもわかってきました。

成人GH分泌不全症に加えて、一般的なNAFLDのリスクとなる肥満、糖尿病や下垂体機能低下症に合併しうる視床下部症候群などがあるとNASHは急速に進行します。それらを踏まえて高橋教授は多くの先生方とともに班会議や学会と連携して、以前は糖尿病禁忌であったGH製剤の問題について取り組み厚労省と交渉し最終的に禁忌が解除され、今では糖尿病合併の患者さんでもGHは慎重投与することができるようになりました。また成人GH分泌不全症の診断と治療のガイドラインでも、脂肪肝(NASH/肝硬変)の合併に注意が必要であることが記載されています。

今回のこの総説はこれらの流れとともに、最新の知見を紹介しています。下記のリンクは無料でPDFがダウンロードできる期間もありますので(出版社からホームページやFBでの公開についても許可されています)、ご興味のある先生はご覧ください。

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