紙谷史夏先生の論文 “Multiple or Single Endocrine Abnormalities Associated with Immune Checkpoint Inhibitors”がJCEMにアクセプトになりました。

紙谷史夏先生の論文 “Multiple or Single Endocrine Abnormalities Associated with Immune Checkpoint Inhibitors”がJCEMにアクセプトになりました。この論文は1300万人のDeSCデータベースを用いて1万人以上の免疫チェックポイント阻害薬を投与された患者さんを対象として行なったまさにビッグデータ解析の結果を報告したものです。

これまで免疫チェックポイント阻害薬関連下垂体炎や免疫チェックポイント阻害薬甲状腺炎を発症した患者さんでは生命予後が改善することが報告されていました。紙谷史夏先生は、免疫チェックポイント阻害薬関連1型糖尿病の発症率(0.5%)と、実際に発症した患者さんの生命予後が改善することを初めて報告してきましたが(JDI 2025)、今回内分泌irAEが複数合併する頻度とともに複数合併した場合にはさらに予後が改善することを見出しJCEMに報告しました。

このような解析はまさにビッグデータでしかできないことですが、現在さらに紙谷先生は1億2000万人の日本人悉皆データベースであるNDBを用いて20万人の免疫チェックポイント阻害薬が投与された患者さんを対象により詳細な解析を行なっており非常に興味深いデータを得て、論文作成中です。

JCEMは内分泌領域のトップジャーナルであり決して容易ではありません。今回奈良医大の仕事では初めてアクセプトになり、紙谷先生を初め講座全体のレベルアップを実感しています。現在他の先生もさらにビッグジャーナルに挑戦できるような面白いデータで論文作成中です。講座全体で患者さんに還元できるような大きな意義のある論文を世界に発信していきます。

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